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2013年(平成25年)











 

三谷幸喜の舞台「ろくでなし啄木」を放送

株式会社WOWOW

三谷幸喜、生誕50周年スペシャル企画の第1弾舞台「ろくでなし啄木」をWOWOWは2011年(平成23年)5月4日の18時15分から放送する。

三谷幸喜へのインタビュー全記録

この舞台は、三谷幸喜生誕50周年、怒涛の新作ラッシュのトップで公演される。謎の歌人石川啄木と彼に翻弄される男と女のエロティック・サスペンス。出演は、今回が初共演となる藤原竜也と中村勘太郎。ヒロインには今回が初舞台となる吹石一恵。人気実力ともにトップを走る若手俳優の豪華コラボレーションが実現した注目の舞台。

27歳で天逝した薄幸の天才歌人・石川啄木を三谷タッチで描く舞台。石川啄木の残された肖像写真からは、純真で才能に満ち溢れた病弱な文学青年のイメージが浮かぶ。しかし、啄木は金にルーズで、常に借金を抱え、女性にも目がなく、平気で嘘をつき、常に周囲の人々をふりまわしていたとも言われている。本当の啄木は一体どちらだったのか?。三谷はみごとに描ききっている。

◎インタビュー内容
◇稽古場の様子はどうでしたか。
「20代の人たちとやることが、こんなにも僕にとって刺激的なことなのか、新鮮なことなのかとすごく感じました。とにかくパワフルだし。台本は稽古をしながら、10枚また10枚と少しずつ渡していったんです。たとえば、新たなページをその日の最後に渡す。で、次の日の稽古に集まってくると、もう誰も台本を持っていないんです。覚えてきているんです。そのシーンでやらなくてはいけないこと、言わなくてはいけないことを、藤原竜也さんも中村勘太郎さんも理解しているから、いきなり立つわけですよ。こんなにすぐ台本を持たずに立ち稽古をやってしまう二人っていうのは、どれだけの才能と集中力、体力なんだろうと驚いたし、それを演劇とはそういうものなのなんだと思い込んでしまって、一生懸命についていった吹石一恵さんも、本当に頑張ったと思いますね」。

◇啄木は藤原竜也さんをイメージされたんですか。
「石川啄木があの写真から醸し出すイメージと実態が全然違っているという二面性に興味を持って。誰にでも好かれる笑顔が眩しい、そして早く亡くなってしまった不幸な天才歌人である一面と、女好きで博打が好きで借金を抱えて、色々な人を騙して生きてきたダークな一面を持つ啄木。両方が演じられる俳優さんは藤原竜也さんしかいないと思い、彼にぴったりな題材だなというところからですね」。

◇今回脚本家として、おもしろいものを書こうという感じで書いたわけではないとお聞きしましたが。
「僕はずっとコメディを作ってきて、今後も作り続けるつもりでいるし、自分は喜劇作家だと思っているんです。だけど、今回は僕の考えているコメディとは違うもので。僕の考えるコメディは、映画であれ、舞台であれ、とにかく台詞とかストーリーとかシチュエーションとか、もしくは小道具ひとつひとつにおけるすべてのものが“笑うため”に作られているもの。今回はあきらかにそうではないんですよね。笑わせるためではない要素がたくさんあるから。結果的には自分が思っていたよりもちょっと多く笑いは存在しましたけど、それは俳優さんの資質というか、稽古しながら作っていったもので、そこに僕も想像しなかったような笑いが増えていきました。それでもやっぱりこれはコメディではないし、僕も最初からそのつもりで書いていました」。

◇なぜサスペンスという要素をいれようと思ったのですか。
「笑いはなくても、コメディではなくても、やっぱり僕が作るものはエンターテインメントでなきゃいけないと思っているので。「お客様を楽しませる」というものの中で、一番効果的なものが笑いだと思うんです。だけど、そうじゃない、笑いがない部分で、何ができるかと考えたときに、それはサスペンスの要素であったりとか、より深い人間ドラマの要素であったりとか笑い以外の要素をよりいつもより多く足していくということだと思ったんです」。

◇今回の「ろくでなし啄木」が三谷さんの今年の50周年企画の杮落としのような芝居ですが、全体を終えてみて「ろくでなし啄木」はどうでしたか。
「今年4本舞台をやるんですが、4本とも今までやったことないものにチャレンジするというテーマがありました。今回のチャレンジは、若い俳優たちとやるということもそうですし、今まで僕がやってきていない時間とか空間、しかも抽象的なセットの中での一瞬で場所をかえてしまうような演劇的な演出もある種、挑戦でした。でも一番大きな挑戦は、コメディじゃないもので、どれだけお客さんを引きつけることができるか、ということでした。そんなチャレンジの末に出来上がった「ろくでなし啄木」だったんですけど、僕なりにすごく手ごたえがあり、挑戦してみてよかったと思っているし、また挑戦のしがいがあった作品だったと思います」。