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2013年(平成25年)











 

敗戦前夜に下された密命に翻弄される3人の軍人

映画「日輪の遺産」

原作は浅田次郎。映画化に寄せて次の様に記している。それに寄れば、・・・華々しい新人賞デビューを果たせなかった遅咲きの悲しさである。そうした折に、「好きなものを好きなように書いて良い」と言ってくださった出版社があった。(省略)熱に浮かされるように三ヶ月ばかりで書き上げた作品が『日輪の遺産』である・・・と。

十分に見応えのある作品

浅田は、この作品で実質的な文壇デビューを果たす。それだけ思い入れも大きい作品の映画化である。完成報告記者会見で、「戦争経験者ではない自分が戦争の物語を書くのは僭越(せんえつ)ですが、知らないからこそ、きちんと伝えたいという気持ちで書いています。経験したことのない戦争を描くとき、筆が止まることがあります。この場面で、こんな考え方をするのか、字句の使用はこれで良いのかと、恐くなるんです。それは、戦争を経験された方に対することではなく、戦争でお亡くなりになった方に対する畏怖と敬意を意味するのです。こんなに立派な映画にしていただいてよかったです」と語っている。

メガホン10作品目となる佐々部清監督は、オーソドックスな基本に忠実な演出で堂々と描いている。脚本の青島武の物語の運びも心地よい。熊井(監督)-姫田(撮影監督)コンビを思わせるような映像は、坂本正明撮影監督の良さが前面に出ている。時代考証にマッチした美術監督の力もみごとなリアリティを作り出している。

最初の第一巻は、ゆったりとしたリズムで時代を描いていく。その静けさが、時代に流されていく波乱なひとときの伏線でもある。「マッカーサーの財宝、200兆円を隠匿せよ」。そんな密命を下された三人の軍人が作り出すドラマは、十分な見応えを持って展開していく。必見。

配給=角川映画
8月27日より全国公開
(c)2011「日輪の遺産」製作委員会







中村獅童、堺雅人、福士誠治が好演している